はじめに
政党や政治団体の政治資金収支報告書を閲覧したり、入手したりする方法については、すでに以下の投稿で解説しました、
そこで、解説したポイントは、以下のようにまとめることができます。
①総務大臣に提出された過去3年分の政治資金収支報告書は、総務省のHP(https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/)で公表されているので、インターネットが使用できれば、いつでも閲覧することも入手することもできる。
②各都道府県選挙管理委員会(選管)に提出された過去3年分の政治資金収支報告書は、ほどんどの選管でインターネット公表されているので、インターネットが使用できれば、いつでも閲覧することも入手することもできる(なお、ネット公表され始めたのがいつなのかによって、1年分または2年分しか公表していない選管もある)。
③いまだにインターネット公表していない選管が一部にあるが、そこに提出されている政治資金収支報告書は各自情報公開請求しなければ閲覧することも入手することもできない。
④「政治資金センター」という公益財団法人があり、そのHP(https://www.openpolitics.or.jp/)では、いまだにインターネット公表されていない政治資金収支報告書も、インターネット公表されている政治資金収支報告書も、過去3年分だけではなく、よれよりも前の分も含めて、各議員ごとに、インターネット公表しているので、とても便利である。
そこで解説したのは、「政治資金収支報告書」の入手方法でした。
領収書の写しを入手する方法
では、「領収書の写し」については、どのようにして入手したらよいのでしょうか?
政党や政治団体が支出したもののうち、政治資金収支報告書に支出の明細(支出先、支出日、支出金額等)が個々具体的に明記されている支出については、支出先が発行した「領収書の写し」も、「政治資金収支報告書」に添付して総務大臣・各都道府県選管に提出されています。
もっとも、「政治資金収支報告書」をインターネット公表している総務省・都道府県選管においても、政党や政治団体によって提出された「領収書の写し」については、インターネット公表してはいません。したがって、「領収書の写し」を閲覧・入手するのは、情報公開請求するしかありません。
選管がインターネット公表していない政治資金収支報告書を情報公開請求してインターネット公表している「政治資金センター」においても、「領収書の写し」をインターネット公表してはいません。情報公開請求に莫大な費用が掛かるため、インターネット公表したくても、できないのが現状です。
ですから、「領収書の写し」を閲覧・入手したいときには、政治資金収支報告書が提出されている総務大臣(総務省)・都道府県選管に情報公開請求するしかないのです。
その場合、注意を要することがあります。例えば各地方自治体には情報公開条例が定められていますが、政治資金収支報告書や領収書の写しの情報公開請求は、その条例に基づく情報公開請求ではなく、政治資金規正法に基づく情報公開請求なので、条例に基づく情報公開の様式ではなく、政治資金規正法に基づく様式で請求する必要があるということです。各選管のHPで様式「政治資金収支報告書及び領収書等の写しの交付請求書」(表記が異なるところもあるかもしれまs年)をダウンロードして入手してください。
ところが、インターネットでは政治資金規正法に基づく情報公開請求の様式をインターネット公表している選管は多くはないように思います(すべての都道府県選管のHPをチェックしたわけではないので、断定はできません)。
ですから、そのようなところでは、各都道府県の選管に出向いて、様式を受け取り、必要事項を書き込む必要があります。①どの政治団体のものか、②何年の分か、③すべての領収書か一部か、一部ならどの支出の分か、記載する必要がありますし、また、④閲覧なのか、それとも、写しの開示を求めるのか、⑤窓口で受け取るのか、郵送を希望するのか記載する必要があります。⑥紙媒体でしか開示されないのか、CDまたはDVDでも開示されるのか、確認してください。
請求先の選管が遠方である、あるいは忙しい等の理由で、選管に出向くことができない場合は、どうしたらよいでしょうか?
私の経験
「政治資金収支報告書の写しの交付請求書」をネット公表していないところでは、各地方自治体は、情報公開条例に基づく情報公開請求の用紙をインターネット公表しているようですから、私はその用紙を使って、政治資金収支報告書が提出されている選管に領収書の写しをFAXで情報公開請求しました(なお、その請求の送付は、郵送で行えるところ、FAXでも行えるところがあります。あるいはまたインターネットで行えるところもあります)。
そうすると、選管から電話がかかってきます。「様式が違う」と言われたので、私は「政治資金規正法に基づく用紙が選管でインターネット公表されていないので、インターネット公表されている情報公開条例に基づく様式を借用しました。そちらで補正してください。」とお願いの応答をしました(今後、請求が多いとインターネット公表されている情報公開条例に基づく様式もインターネット公表されるでしょう)。
それに応じてもらえれば、請求の手続きは完了します(もっとも、「様式の文書を郵送するので、それに書いてください」と対応される場合があるかもしれません)。
選管が開示手続きを完了すると、その費用を請求されます。郵送された文書をよく読んでください。
現金で支払うところでは「現金書書留」で郵送しなければなりません。あるいは、現金ではなく、納付書に基づき金融機関にその費用分の金額を納付する手続き行い、その領収書を選管に郵送しなければならないところもあります。
郵送代については、指定された切手を同封する必要があるところと、「着払いで送る」と説明しているところもあります。
以上の手続きを終えると、領収書の写しが郵送されてきます(着払いの場合にはその分の金額を支払わないと受け取れません)。
以上の手続きは、「政治資金収支報告書」の情報公開請求にも妥当します。
最後に
以上は、支出の明細が政治資金収支報告書に記載されているものについての「領収書の写し」を入手する方法です。支出の明細が記載されていないものについては、原則として「領収書の写し」を入手することはできませんが、一部例外があり、入手できる政治団体があります。この例外については、別の投稿で解説します。
「政治資金センター」は皆さんの寄附で経費を賄っています。寄附が集まらないと存続が難しくなるので、一人でも多くの方々が寄附をして支援していただくことで、国会議員らの政治資金を監視することが継続可能になることでしょう。
「政治資金センター」への寄附のお願い(https://www.openpolitics.or.jp/support_Donation.html)。
以上。