はじめに
いわゆるアベノマスクについて私が情報公開請求した結果と開示された文書を公表しました。契約内容が当初のものから変更されているものが複数あります。今回は、それらの文書を分析した結果を公表します。
(1)アベノマスク購入・郵送に約502・4億円
私が厚生労働大臣と文部科学大臣に対し情報公開し開示文書の内容を分析すると、
厚生労働省と文部科学省がアベノマスクの購入と郵送に使った公金の(契約変更後の)総額は
約502億3744万円
でした。つまり、アベノマスクの購入と郵送に約502億3744万円
もの税金が使われたのです。
そのうち
厚生労働省分は約456億7807万円
文部科学省分は 約45億5937万円。
また、そのうち
アベノマスク購入代は約443億3028万円
郵送代は約59億0716万円。
より詳細かつ正確な金額のまとめは、以下です。
厚生労働省分 |
当初の契約額(円) |
変更後の契約額(円) |
合計 |
45,493,604,845 |
45,678,070,149 |
(内訳 アベノマスク) |
41,054,580,281 |
40,029,116,281 |
(内訳 郵送代) |
4,439,024,564 |
5,648,953,868 |
文部科学省分の合計 |
4,873,587,627 |
4,559,369,195 |
(内訳 アベノマスク) |
4,660,647,514 |
4,301,167,514 |
(内訳 郵送代) |
212,940,113 |
258,201,681 |
厚労省と文科省の総合計 |
50,367,192,472 |
50,237,439,344 |
(内訳 アベノマスク) |
45,715,227,795 |
44,330,283,795 |
(内訳 郵送代) |
4,651,964,677 |
5,907,155,549 |
さらに個々の契約ごとの当初契約と変更後の契約をまとめた一覧は以下です(PDFファイルで公表しています)。リンクを貼っていますので、クリックしてご覧ください。
(2)コールセンター窓口業務代予算を加えると総額は約539・9億円
私の情報公開における文書の特定が限定しすぎたようで、コールセンター窓口業務の契約書は開示されていません。
ただし、文部科学省のコールセンター窓口業務代の「予算」は37億5000万円という文書は開示されました(厚生労働省のコールセンター窓口業務代の「予算」はつけられていなかったのでしょうか。マスコミの記者の皆さん、取材して報道してください)。
前述のアベノマスクの購入代と郵送代の総額約502億3744万円に、文部科学省のコールセンター窓口業務代予算37億5000万円を加えれば
539億8744万円
になります。
そのうち、文部科学省代分は83億0937万円になります。
以上の厚生労働省のコールセンター窓口業務代は「予算」なので、実際の契約では幾らだったのか、確認する必要があります。マスコミの記者の皆さん、取材して報道してください。
(3)アベノマスク「466億円は260億円になる」は真実だったのか?
アベノマスクに要した公金は当初466億円と報道され、その後6月1日には「466億円は260億円になる」旨の報道がなされました。
しかし、私が開示を受けた文書を分析すると、6月1日までの時点におけるアベノマスクの業者とのマスクの購入および郵送の各金額の合計(コールセンター窓口業務代は含まず)は
約375億9778万円。
そのうち
厚生労働省分は約352億0539万円
文部科学省分は約23億9239万円
◇厚生労働省(2020年6月1日まで)
アベノマスク・郵送 |
当初契約金額(円) |
契約変更後金額(円) |
総計 |
36,729,385,363 |
35,205,385,363 |
(内訳 アベノマスク) |
34,671,011,881 |
31,866,011,881 |
(内訳 郵送) |
2,058,373,482 |
3,339,373,482 |
◇文部科学省(2020年6月1日まで)
アベノマスク・郵送 |
当初契約金額(円) |
契約変更後金額(円) |
総計 |
2,706,610,625 |
2,392,392,193 |
(内訳 アベノマスク) |
2,607,055,000 |
2,247,575,000 |
(内訳 郵送) |
99,555,625 |
144,817,193 |
◇厚生労働省と文部科学省(2020年6月1日まで)
アベノマスク・郵送 |
当初契約金額(円) |
契約変更後金額(円) |
総合計 |
39,435,995,988 |
37,597,777,556 |
(内訳 アベノマスク) |
37,278,066,881 |
34,113,586,881 |
(内訳 郵送) |
2,157,929,107 |
3,484,190,675 |
さらに6月1日までの時点における個々の契約ごとの当初契約と変更後の契約をまとめた一覧は以下です(PDFファイルで公表しています)。リンクを貼っていますので、クリックしてご覧ください。
以上のどこにも、「260憶円」という数字がありません。
となると、6月1日には「466億円は260億円になる」旨、政府が発表したのは、真実の数字だったのか?
虚偽だったのではないか?
そのような疑念が生じます。
(4)「466億円」と「260億円」はどこがどこに配布した分?
そもそも当初発表された「466億円」は、
どこ(厚生労働省か?文部科学省か?両方か?)が、
どこ(全世帯か?妊婦・介護施設も含むのか?徴収高校なども含むのか?)
に配布する分だったのでしょうか?
郵送代を含んでいたのでしょうか?
また、6月1日に公表された「260億円」は、
どこ(厚生労働省か?文部科学省か?両方か?)が、
どこ(全世帯か?妊婦・介護施設も含むのか?徴収高校なども含むのか?)
に配布する分だったのでしょうか?
また、郵送代を含んでいたのでしょうか?
6月1日に公表された「260億円」がたとえ全体の一部として当時真実だったとしても、なぜ全体が報道されず、その一部の数字だけが報道されたのでしょうか?
マスコミの記者の皆様、是非とも国民・納税者にわかるよう取材して報道してください。
以上。