地中埋設物の撤去費用を8億1900万円と近畿財務局、大阪航空局が積算しているが、2016年3月11日段階では地中埋設物やごみはなかったが「安倍総理・明恵案件」のための便宜供与が本件の本質であろう。
2017年6月19日 「真相解明の会」調査班
(1)8億1900万円の積算の仕方
ア 「地下埋設物撤去・処分費用の算定方法」
本件鑑定書
(https://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wpkb2/wp-content/uploads/2017/06/甲8.pdf)(4枚目)のによると地中埋設物の量の計算は「対象面積×深さ×埋設物混入率」として
【対象面積】5190平方メートル
【深さ】基礎杭が打たれる箇所は9.9m,それ以外の土地は深さ3.8m
【埋設物混入率】47.1%
イ 基礎杭が打たれる箇所(深さ9.9m)(内訳表第2号直接工事費(建物)部分)の埋設物の数量は8160トン、単価は22,500円で1億8360万円(7枚目),それ以外の土地(深さ3.8m)部分(内訳表第3号直接工事費(土地))の埋設物は8640トン、単価22,500円で合計1億9440万円(8枚目)と積算した。ゴミの量は合計1万6800トンになる。
(2)地中埋設物の存在が上記の通りあったという事実は間違っている。
ア 地中9.9メートル部分まで廃材、ごみが存在したという証拠はない。
第1にすでに公表されている、「平成21年度大阪国際空港豊中市場用地(野田地区)地下構造物状況調査業務・報告書(OA301)平成22年1月 大阪交通省大阪航空局・大和探査技術株式会社」資料(https://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wpkb2/wp-content/uploads/2017/06/甲11.pdf)
によれば、本調査はまず地中レーダーの探査を実施し、その画像を解析して地中埋設物の存在する可能性があると判断した箇所には地下埋設物の形状・材質・埋設量などを把握する為に試掘を行った。その結果、レーダー探査により異常個所と思われた68箇所の試掘を行った結果、地中には埋設物は地中3メートルまでは存在するが、それ以上の深い地中にはゴミなどがないことが明らかにされている。
イ 「平成23年度 大阪国際空港場外用地((OA301)土壌汚染深度方向調査業務・報告書平成24年2月 大阪航空用地部補償課・阪神測建株式会社)(https://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wpkb2/wp-content/uploads/2017/06/甲12.pdf)によれば、平成22年度に土壌汚染の調査をした際に
〇ボーリングした地点の地盤構成は「盛土層(B1)は0.85~1.40m.で存在し、「埋土層(B2)」はB1層下部部に1.20m~2.80m.で分布する(11枚目、2-1想定断面図)これらの地層にはガラ混じり砂礫~砂により構成され角礫状のガラを主体としたコンクリート片やレンガ片及びビニールなどが混入する。木片及び植物繊維を多く混入する。
B1又はB2層下位には「沖積粘性土層(Ac)が存在してAc2層には少量の貝殻片が点在し、Ac3層には貝殻混じりのシルトで構成され所々貝殻片が多量となる。」(9頁)この報告書から判明する事実は、地中埋設物があるのは地表から約2.8m位でそれ以下の地層は「沖積粘性土層」であるから人工構築物が混入する余地がないことである。
ウ 2014年(平成26年)10月に森友学園側がボーリング調査(地下21メートルメートルから46メートルまでの2箇所)してゴミが見つかった最も深い場所で3.1メートルであった旨の報告書があり、それが近畿財務局に届けられているはずである。
エ 2016年3月に森友学園側が地中埋設物が多量に発見された写真などで近畿財務局側は、前記の通り地中深く9.9メートルまでゴミなどがあったと認定しているが、森友学園側が9.9メートルの地盤改良工事の中で、ごみが地表にでてくることはこの工法(https://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wpkb2/wp-content/uploads/2017/06/甲5.pdf)では普通はありえない。
そもそも地盤改良杭工法の場合は地中の1~2m位のごみは地上にでてくるが、最深部の先端のゴミが地上に上がって来ることはあり得ない。
何故なら地盤改良杭工法は現状地盤の土をドリルで撹拌しながら改良材を混ぜて硬い柱状の現状地盤を利用して地中に築造する工法であり、場所打ち杭のように地中に深く杭ドリルで穴を掘って既製杭を挿入する工法とか、又場所打ち杭のように地中の土を掘り出し、そこに生コンを流し込む為の工法だと、地中の土や最深部にもしゴミがあれば地上に上がってくるが、地盤改良杭工法の場合は地中の土、ごみなどを掘り出す工法でないからである。したがってこの写真から地中深くごみが出たという写真などが全く信用できないし、航空局や近畿財務局の担当者は十分それを承知して「地中9,9mとかにごみが出たこと」に便乗して、ただ同然の価格で売買しようと計画した事案であると思われる。
この工法を実施した業者なら、だれでもこのような深い地中からごみなどが地上に上がってくることはありえないことは公知の事実だと言われている。
オ 当会の調査によると、前記2015年11月株式会社中道組が「地中埋設物処理工事報告書」において、建物部分は地下3メートル、それ以外の土地はほぼ地中3メートルから1メートル部分まで埋設物を撤去した報告書を近畿財務局や豊中市に提出している。その費用として、国は2016年4月6日 国の予算をつけて金1億3176万円を払っている。株式会社中道組は大阪ではきちんとした業者で定評があり、適当に地中埋設物があるのにそれを放置して完了報告書を出すはずがない。
(3)ごみの混入率の計算も極めて恣意的である
本件鑑定書
(https://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wpkb2/wp-content/uploads/2017/06/甲5.pdf)に添付されているごみの混入率は47.1%もデタラメである。
「平成21年度大阪国際空港豊中市場用地(野田地区)地下構造物状況調査業務・報告書(OA301)」(https://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wpkb2/wp-content/uploads/2017/06/甲11.pdf)によれば68地点の平均混入率は20.7%とある。(10枚目)47.1%の資料はどこからも発見することはできない。地中埋設物の平均混入率を20、7%で計算すれば推定ごみの量は半減以下に減る計算になる。
(4)埋設物の処分費はトン当たりの単価は2万2500円と積算も過大である
前記(https://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wpkb2/wp-content/uploads/2017/06/甲12.pdf)の19ページにはトン単価は分級洗浄(運搬費を含む)としてトン単価12,300円である。仮に合計1万6800トンあったとしても1万6800×(2万2500円-1万2300円)=1億7136万円を過大積算している計算になる。
(5)仮に地中埋設物、ごみの量が国の通りであったとしても、民間でこの工事を仮に委託するとすれば金3億7080万7728円で可能であり、4億4893万4219円が過剰な積算である。
当会が一級建築士に試算してもらったところ、金3億7080万7728円が妥当で、4億4893万4219円は過剰な積算であるとの意見であった。(https://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wpkb2/wp-content/uploads/2017/06/甲13.pdf)。
(6)森友学園側のコンサル・施行業者・弁護士とのメールのやり取りで3メートル以下の深い地中には埋設物がなかったというメールが公表された。
https://www.j-cast.com/tv/2017/05/17298168.html
(7)結論
以上の通り地中埋設物がすでに存在していたことは従前の近畿財務局の内部資料からも容易に判明し、地中深く9.9mまでに地中埋設物は存在しないことは明らかであった。しかも、その地中埋設物は2015年11月までに既に撤去されており、2016年3月11日段階では新たなごみが出る可能性がなかった。
しかし、2016年3月11日に大量に地中深く埋設物が発見されたということで森友学園側のコンサルや施行業者の「値下げ要求」に便乗して、近畿財務局、大阪航空局はいわばこの種の問題でのプロであるところ、このような杜撰な積算を行ったことは「安倍総理・明恵案件」があったことが本件の真相であろう。「安倍晋三好みの教育勅語、愛国教育の森友学園」の支援である。加計学園問題のお友達に便宜を図ったと同じ構造である。
今後、ことの真相が、国会で自民・公明党が多数を占めているのでごまかせても、もし司法の手でこれらの問題が明らかにされると、「政権の行政の私物化」が明らかになり、または「公務員の任務違反」に該当するので、自らの責任を隠ぺいするために、後日検証できないように「交渉面談記録」などを開示しないことにしていると思われる。