「政府の公文書のあり方を問う弁護士・研究者の会」の発足に当たって
2020年11月12日
森友問題の真相解明を求める弁護士・研究者の会
共同代表 弁護士 阪 口 徳 雄
共同代表 弁護士 菅 野 園 子
私達は森友問題で背任罪や公文書毀棄罪で大阪地検に告発しましたが、検察の政権への忖度で不起訴にされました。他方、財務省の公文書の情報公開請求では大阪地裁で国の隠ぺいする行為を弾劾する判決を勝ちました。
2019年3月14日大阪地裁で「やっと常識が通用した判決」としてコメントしています。(一審で確定)
https://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7695/
2020年6月25日大阪地裁で「情報公開請求法に違反して意図的にこれらの文書を不開示にしたのは故意による違法として国家賠償が認容され判決」とコメントしています。
https://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7724/
この裁判は一部勝訴しましたが、隠蔽した当時の理財局の幹部の佐川元局長、中村元総務課長(その後にイタリヤに外交官として栄転した人物)らを尋問しなかった点が納得できないとして大阪高裁に控訴しています。
アベ政権後の公文書の作成、管理、情報公開が極めて杜撰であることを森友事件で学んだ私達は、ほぼ同じ弁護団と原告で次の訴訟を提訴しています
(1)2020年6月1日に「官邸ベッタリ」と批判された黒川東京高検検事長の任期を違法に延長する閣議決定について、その隠ぺいされた事実の真相を求めて、大阪地裁に情報公開請求訴訟を提訴しています。
(2)2020年9月28日に、安倍総理のコロナ対策で場当たり的に決定し、失敗の典型例であるアベノマスクの単価の開示請求を上脇博之神戸学院大学教授がしたら真っ黒な文書が開示されたのでその取消訴訟も大阪地裁に提訴しました。
(3)2020年10月14日に 内閣官房に対する情報公開請求をしたらわずか30分もあれば判明する公文書を60日も必要との決定で情報の開示を引き延ばしています。本来なら30日以内に開示すべき文書を延長する内閣官房総務官の決定は違法であるとの行政訴訟も提訴しています
森友事件に端を発し、多くの国民に政府の公文書の作成、管理、情報公開のあり方について教えた中央省庁の公文書のあり方を根本的に問うことが必要との認識に達しました。特に菅政権になっても同じことを繰り返えされています。
そこで私達は「政府の公文書のあり方を問う弁護士・研究者の会」も発足し、公文書管理に疑問、関心のある弁護士、研究者を新たに募集して、これらの問題を追及することになりました。なお代表は「森友問題の真相解明を求める弁護士・研究者の会」の代表である、弁護士阪口徳雄、弁護士菅野園子が兼ねることになりました。
ぜひ関係者のご支援のほどをお願いする次第です。